CNAからRNにステップアップ!現役CNAが奮闘するRNへの道

看護助手

こんにちは!

このブログでは、主にCNAの仕事やアメリカの病院のあれこれを紹介していますが、この度、アメリカのRN(正看護師)資格取得を目指すことにしました!

といいつつも、私は周りの国際RNインフルエンサーのような高い志などありません。
国際協力に関する職には就きたい、とずっと思っているけれども、アメリカでRNになることを夢見たことはありませんでした。

そんな志も中途半端、英語も中途半端な私が、何故RNの資格取得を目指したのか、日記感覚でまとめていきたいと思います。
私みたいな半端者でもRN資格を取得することが出来ました。志高い方なら絶対大丈夫です。「英語できないけど大丈夫?」「申請ってどれくらい時間かかるの?」みたいなリアルな不安や流れが参考になればと思います。


なんでRNの資格取得を目指すことにしたのか

なにか目標を持つためには、動機って大事ですよね。モチベーションがないと、お金も時間もかかるRNライセンスの申請・受験はとてもじゃありませんが、やりきれないと思います。

でも私、RN資格を取ろう!と決めたはいいものの、実際にRNとして働く勇気は未だに沸いていないのです。

理由はいくつもあります。

  • 英語でのコミュニケーションにいつまでも自信を持てない。実際に何を話しているか分からない時もまだまだ沢山あります。アメリカは広く、多くの人種の方がいる地域もありますが、私の住んでいる場所では8割が白人、あとの2割がメキシコなどスペイン語圏から移住された方、数%がHmong(モン)というラオスやベトナムの山岳地帯の地域に住んでいた民族の方が住んでいます。白人のコミュニティが大きいため、綺麗なアメリカ英語を話す方が圧倒的に多く、日本語訛りの英語だと中々聞き取ってもらえないのです。
  • ネイティブではない自身の英語力で患者さんの命を預かる職業についても大丈夫なのだろうか。信頼関係は構築できるのだろうか。
  • じゃあ英語の勉強漬けだ!と勉強しようと思っても、何をしたら良いかいまいち分からない。そもそも学校に行くわけでもない、就職もクリア出来た今の状況で、モチベーションが中々湧かない

そうです。ネガティブで慎重で完璧を目指したがるくせにナマケモノなのです😂

そんな自信のない私ですが、英語力も中途半端、日本でのRNとしての経験や知識がどんどん薄くなっていく感覚に焦りを感じました。家と職場の往復だけの毎日にも嫌悪感があり、「何か目標を作れば、自分の意識や英語力が変わるかもしれない」と思い、RN資格取得を目指すことにしました。

将来本気でRNになりたいと思うかもしれないので、そう思った時に遅くないように。そして、医療英語、しかも専門分野であればモチベーションが維持できるのでは?と考え、「RNライセンス取得」を英語勉強の一環として取り組むことにしました。


どうやったら日本の看護師がアメリカで看護師になれるの?

アメリカ看護師について調べたことがある方はお分かりだと思いますが、日本の国家資格とは異なり、アメリカ看護師資格は州ごとに発行されます。そのため、住んでいる州や働きたい州の資格を取らなくてはその州で働くことが出来ません。

更に、州によって免許取得のプロセスや条件が異なる点がやっかいです。

当初は現在住んでいるWI州で申請しようと考えていましたが、アドバイスも何も頂けない状態での申請は大分骨が折れる…更にWI州は英語のスコアを条件としています(IELTS6.5/Speaking7.0がボーダー)。そのため、英語スコアを必要としないNY州でまずは申請し、そのあとにIELTSの受験やエンド―ズメントを行うことを選択しました。

RN資格取得までのおおまかな流れ

ざっくりとですが、日本看護師資格を保有している場合のアメリカ看護師免許の書き換えは以下のプロセスで行われます。

  1. CGFNSでの書類申請(CGFNS:卒業した学校の看護教育がアメリカの看護教育と同等か審査する機関)
    • 卒業した教育機関の卒業証明や成績証明、指定書類の提出&審査
    • 看護師免許の提出&審査
  2. 州の看護委員会(BON:Board of Nursing)での審査
    • BONでの審査終了後に受験番号が付与される
  3. NCLEX-RN受験

州によっては英語力のスコア提出をどこかの段階で行う必要があったり、州のBONで指定のオンライン研修を修了する必要があります。


実際にどんなプロセスでアメリカ看護師資格を取得したの?

参考になるかは分かりませんが、私のRN資格取得を目指したタイムラインを紹介します。

アメリカRN資格取得に向けたタイムライン

アメリカRN資格取得に向けたタイムライン
  • 2024年秋~
    RN資格取得を本気で目指そうかなと思い始める

    CNAとして働くことには満足しているが目標もなく仕事と家の往復の日々に「今の自分を変えたい!」という思いが湧く。

  • 2024/9
    情報収集を始める

    住んでいるWI州のRNになるためにはどのようなステップが必要なのか情報収集を始める。

  • 2024/10/6
    CGFNSにアカウント登録する

    アカウント登録したものの、プロフィールの入力の時点で「?」が沢山出てきて途中で放棄。CGFNSのプロフィール入力に関するブログやコミュニティがないか情報収集を再開。

  • 2024/10/9
    Belightコミュニティを見つけ、コミュニティに申し込み・参加する

    アメリカ看護師のコミュニティであり、コミュニティの方皆がエージェントに頼らず自力でCGFNSに通過していることを知る。「これだ!私もこのコミュニティに参加したい!」とコンタクトを取り、コミュニティに参加する

  • 202411/27
    Belightのアメリカ看護師ピアサポートコミュニティに入る

    BelightにはFacebook上でのコミュニティとSlack上でのコミュニティの2つが存在する。月額料金を支払うことでより多くのサポートを受けられるSlack上のコミュニティ「ピアサポートコミュニティ」に入る

  • 2024/11/30
    CGFNSのプロフィールを入力完了し、NY州のサービスを購入

    ピアサポートコミュニティでサポートして頂き、無事にCGFNSのプロフィール欄の入力を完了する。住んでいる場所はWI州だけれども、前例が多くアドバイスが受けやすいNY州で申請し、NCLEXに合格したらWI州にエンド―ズメントすることを決意。

  • 2024/12/6
    教育機関・厚生労働省に送付する書類を準備し、発送する

    卒業した教育機関や厚生労働省にコンタクトを取りつつ、必要な書類を準備。EMS封筒や切手など日本でしか手に入らないものは日本にいる家族に依頼。1週間程度で準備から発送まで一気に進める

  • 2024/12/16
    教育機関が書類を受け取り、書類作成の段階に入る

    貧乏性が発症し普通郵便でアメリカから日本に送ったが無事に10日程度で現着。アメリカの国際便+速達だと1通90ドル程度、合計で200ドル弱はかけられん…と合計30ドル程度の普通郵便を選択。無事に届いて一安心…

  • 2024/12/19
    厚生労働省に書類が届き、書類作成の段階に入る

  • 2024/12/23
    UWorld(NCLEX勉強ツール)を購入

    1年間のサブスクで購入(389ドルと可愛くはない値段設定😂でも学費よりは数百倍安い!と迷わず1年の期間で購入。)

  • 2025/1/16
    教育機関・厚生労働省共に同日にCGFNSに書類を発送

    1か月程度で準備から発送まで実施してくれました。日本の機関は対応が早くて助かります。しかも書類作成料金など不要の日本、素晴らしい。アメリカだったら恐らく3か月以上かかる+100ドル以上支払うことになるだろうなあと思います😂

  • 2025/1/22
    EMS追跡上、CGFNSに書類が到着する

    書類到着後もCGFNSダッシュボードは中々「Review」にはならず。毎日ステータスが変わってないかチェック。

  • 2025/01/24
    厚生労働省の書類のステータスが”Received”にupdateされる

    Reviewにはなっていないが、Recievedとステータスがupdateされて一安心。教育機関の方もここ数日でupdateされるのではと期待。

  • 2025/1/27
    教育機関の書類のステータスが”Received”にupdateされる

  • 2025/1/28
    CGFNS書類審査終了

    EMS到着から驚きのスピードで審査が終了。NY州の教育政策担当機関(NYSED)に審査結果が送られるため、ここからはNYSEDでの審査準備を行う。

  • 2025/2/13
    NYSED指定の必須研修”Infection Control”のオンライン研修を受講する

    New York State Nurses Associationの研修を受講

  • 2025/2/14
    NYSED指定の必須研修”Child Abuse”のオンライン研修を受講する

    Making the Tough Callの研修を受講

  • 2025/2/15
    NYSEDの指定研修が修了したため、NYSEDの申請を開始する

  • 2025/02/下旬
    UWorldのアセスメント①を実施

    アセスメントテストを実施。スコア78%と出てかなり驚き

  • 2025/3/19
    NYSEDよりケースがApprovedされたとの連絡を受ける

    1か月ちょっとでNY州の審査が終了。

  • 2025/4/上旬
    UWorldのアセスメント②を実施

    スコアは75%。Uworldの進捗は50~60%程度。

  • 2025/4/17
    ATT取得、試験日を予約

    Person VUEを通して試験費用を支払い、2日でATTを取得。7/9に試験を予約!

  • 2025/5/29
    UWorld 1周目終了

    1日1時間勉強するよう設定(毎日24問)し、5か月程度で1周目が終了。
    この時のPercentile Rankは77th。

  • 2025/6/4
    UWorldのアセスメント③を実施

    スコアは80%。6月に入ってからは不正解の問題を1日85問ずつ解答。

  • 2025/6/14
    UWorldのアセスメント④を実施

    スコアは81%。スコアが安定しているため、1~2週間程度でノートの復習をメインにシフトチェンジ。

  • 2025/6/下旬
    UWorldのアセスメント⑤を実施

    スコア85%程度まで改善。Uncorrectやノート復習を行う。

  • 2025/7/上旬
    UWorldのアセスメント⑥を実施

    スコア85%、Percentile90th。

  • 2025/7/9
    NCLEX-RN受験

    85問(2時間半)で終了。

  • 2025/7/11
    NCLEX合格

    Quick Resultで結果を知る。

  • 2025/8/上旬
    NY州のBON上に自身のライセンス情報が載る

    この間にWI州へのエンドーズメント方法の情報収集に励む

  • 2025/8/中旬
    NY州→WI州へのエンドーズメントを開始

  • 2025/9/15
    エンドーズメント終了:WI州のRNライセンスを取得

ちなみに、いくらくらいかかるの?

アメリカでのVISA取得や看護師資格の申請には、日本とは比べものにならないほど高額な費用がかかります。しかし、節約する方法もあります。

たとえば、CGFNSを使わずに、ニューヨーク州の看護協会(NYSED)に直接申請することも可能です。その場合、約400ドルほど節約できます。

ただし私は、最終的にニューヨーク州以外で看護師登録(エンドースメント)を予定しているため、後から「やっぱり必要だった…!」とならないよう、念のためCGFNSを通して審査をお願いすることにしました。

申請費用は人それぞれ!

費用は以下の要素によって大きく変わります:

  • CGFNSを通すか、州の看護協会に直接申し込むか
  • どの州で審査を受けるか ⇒ 州ごとで審査料金が異なる
  • 試験の受験地 ⇒ 米国外からの受験で追加料金が発生
  • ビザの種類(グリーンカードの有無など) ⇒ Notary(公証)の有無が変わる可能性

【参考価格】私が実際にかかった費用(2025年1月時点)

条件:CGFNS利用 × NY州で審査 × グリーンカードあり × アメリカ在住
(※ Notaryの実施やシラバスの準備は不要でした)

項目価格(USD)
CGFNS審査費用425ドル
NYSED審査費用143ドル
ATT取得200ドル
NY州必須研修30ドル
合計798ドル

な…中々なお値段…!!!

日本の看護師国家試験の受験料が5,400円(約36ドル)と考えると、アメリカの手続きは完全に「高額なサービスを買う」感覚です。

それでも、「自分の可能性を開拓する投資」であり、資格取得後の働き方の選択肢が大きく広がると考えれば、個人的には納得できる金額でした。

※ 郵送費などの細かい雑費は除外していますので、予算を立てる際は+αで見積もっておくと安心です。


CGFNS(TruMerit)申請を終えて思うこと

正直、アメリカのRNライセンス取得に挑戦すると決めるまで、受験資格を得るまでが果てしない道のりだと感じていました。

しかし今になって思うことは、
「申請さえしてしまえば、意外とあっさり受験資格まで進める」ということです。

もちろん、出身校や居住地、ビザの有無など、状況によって進み方は異なります。
それでも、「挑戦しようかな」と思っている方には、ぜひ一歩踏み出してみてほしいです。

結果論ではありますが、私の場合、CGFNSの申請から約4か月弱で受験資格をゲットできました。

そしてSNSが当たり前の世の中、沢山の方がアメリカRN取得に関する記事や情報を出しています。私はBelightのSNSやあかねさんというテネシー州でRNをされている方のSNSをよくチェックし、情報を集めていました。うん十万払ってエージェントに申請をお願いするのも一つの手ですが、自分の手で申請しても意外とトントン拍子に進んでいきますので、まずは自力で挑戦してみることをおすすめします😊


NCLEXのリアルな学習スタイル

NCLEX勉強は、UWorld1本で進めました。
スケジュールは「1日1時間」で設定していて、サイトが自動で組んでくれたプランをとりあえずやっていくスタイルです。1日24問程度解いている感じです。
2025年5月末、5か月かけてようやく1周目が終わりました!受験日まで残り1か月ちょっとは、ランダムに試験を解き、問題に慣れていきました。

ベースの看護知識がある方はUWorld1本で十分だと思います。

詳しいUWorldの勉強法はこちらからどうぞ👇

ノートって作る?どうやって?

手書きノートも良いけれど、私は時間短縮のためにGoogle Document & Spreadsheetを用いてノートを作成しました。

  • Documentには、解いた問題から学んだポイントや新しい知識をどんどん記録
  • Spreadsheetには、知らなかった薬剤名や英単語をリスト化して管理

パソコンひとつあれば、どこでも勉強できるのは本当にありがたい…。
最近は夜勤中にUWorldを勉強するようにしています📖

看護師経験が効いてくる!

勉強しながら思うことは、6年の看護師経験が本当に役に立つこと役に立つこと…!!あの経験がなかったらどうなってたことやらとつくづく思います。

初めてのアセスメントテストで結果が想像以上に良く、日本でもがいていた時期も無駄ではなかったんだなぁと感じています。

反対に言うと、UWorld を解いている限り、かなり臨床に沿った内容を聞いてくるので、看護経験なしにNCLEXの勉強をするとなると、かなりの勉強時間が必要になるだろうなとも感じます。

例えば、こんな感じの問題が出ます:

心筋梗塞後の患者さんに対し、Drに確認すべき処方はどれか?
①エナラプリル ②エゼチミブ ③セレコキシブ ④ニトログリセリン

薬剤名はもちろん、作用機序、投与のタイミング、禁忌まで問われます。学生時代はどの薬剤も知らなかった自信があるので、問題のレベルの高さに驚くばかりです。

振り返ってみると、NCLEXの勉強は、知識が浅かった看護知識のアップデートが沢山でき、とても充実していました。日本での臨床も知っていることから、日米の看護の違いや着眼点を学ぶ機会にもなり、とても楽しかったです。


おわりに

英語力・志が半端な私でもRNライセンスを取得することができました。

2025年9月現在は、就活のための準備と英語のコーチングによる英語力アップを目指しています。
国際協力の場で必要なスキルとなるCommunity Healthを学ぶべく、PHNやHome Health Nurseを目標にResumeを送る予定です。

CNA歴あり・米RN歴なしの日本人がどこまで就職バトルで勝ち進むことが出来るのか…
時給1.5~2倍の夢を現実に引き込むべく、今秋は転職に力を注ぎたいと思います。

9月一杯くらいまではCNAとして引き続き働きますので、病院でのびっくり案件なども今後紹介していきますね♪

ここまで読んでくださってありがとうございました!
これからも、気軽に覗きにきてくれると嬉しいです😊


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