アメリカの病院食ってどんな感じ?

看護助手

食事って国によってカラーが異なりますが、アメリカの病院ではどのような食事体制が取られているのでしょうか?

日本しか知らなかった私が驚いた、アメリカのびっくり病院食事情をお伝えします!

まるでホテル?!なアメリカ病院食

アメリカの病院で働いてびっくりしたことの一つが、「食事の自由度の高さ」。日本では「並菜」「糖尿病菜」などがあって、基本的に決まった時間に運ばれてくるスタイルが主流ですが、アメリカはちょっと違います。

医師からの食事制限(塩分制限、糖質制限など)があっても、患者さん自身がメニューを選んでオーダーします。

例えば、糖尿病食の場合、ピザやハンバーガーなど糖質の多いものばかりをオーダーすることは出来ませんが、低糖質・高蛋白質なものを選んだりすれば、自分の好きなものを食べることが出来ます。制限があっても、“選べる”って、やっぱりアメリカの患者さんとって、非常に重要なんだなと感じます。

更に、キッチンが開いている朝7時〜夜7時の間であれば、好きなタイミングで注文が可能です。まさに”ルームサービス感覚”で電話一本で頼めるので、体調や気分に合わせて「今、ちょっと食べたいな」って時に注文できるのは、本当に画期的だなと思いました。

しかも、患者さんのご家族も料金を払えば一緒に注文OK。病院なのにちょっとしたホテル気分ですよね。

どんなメニューが選べるの?

じゃあ実際に、どんなメニューが頼めるの?と思いますよね。
ある日の病院食の一例をご紹介すると…

朝食: パンケーキ、ソーセージ、フルーツカップ、コーヒー
昼食: グリルドチーズサンド、トマトスープ、チーズケーキ、コーラ
夕食: ミートローフ、マッシュポテト&グレイビー、にんじん、アイス、ルートビア

…もうこれ、完全にレストランかホテルのメニューじゃないですか😂?

患者さんが電話でオーダーすると、専属のデリバリースタッフが部屋まで届けてくれます。配膳時間じゃないと食べられない、なんてことがないので、好きなタイミングで温かいご飯を楽しめます。

メニューの例を以下に上げてみました♪ちなみにメニュー表は英語・スペイン語の2種類あります😊

🍳 朝食メニュー(7:00〜19:00)

  • パンケーキ(シロップ・バター付き)
  • フレンチトースト
  • スクランブルエッグ or ゆで卵 or オムレツ or エッグベネディクト(具材カスタム可:チーズ・ハム・ピーマンなど)
  • ブレックファストブリトー
  • ソーセージ or ベーコン
  • トースト(Rye、White、Wheatから選択)
  • シリアル
  • オートミール or クリームオブウィート
  • フルーツカップ(パイナップル、ぶどう、メロンなど)
  • ヨーグルト(プレーン or フルーツ)
  • デニッシュ or マフィン

(ちなみに、朝7時から夜7時までいつでも頼めるのがすごい…!)

🍔 昼食・夕食メニュー(11:00〜19:00)

  • バーガー, サンドイッチ, グリルドチーズサンド(カスタム可)
  • プルドポークサンドイッチ
  • マカロニチーズ
  • ファヒータ , ケサディーヤ(メキシカン)
  • ミートローフ , ローストチキン, ポッドロースト
  • 白身魚のフライ , フィッシュフライ
  • ピザ(ペパロニ、ベジ、チーズなど)
  • マッシュポテト(グレイビーソース付き)
  • スチーム野菜(にんじん、ブロッコリー、カリフラワーなど), カッテージチーズ
  • カスタムサラダ
  • スープ(チキンヌードル、クラムチャウダー、トマトスープなど)

🥤ドリンクメニュー(7:00〜19:00)

  • コーヒー(レギュラー or デカフェ)
  • ホットティー(緑茶・カモミール・ブラックティーなど)
  • ミルク(牛乳・無脂肪・アーモンド・豆乳など)
  • オレンジジュース・リンゴジュース・クランベリージュース
  • ソーダ(コカ・コーラ、、スプライト、ジンジャーエール、ルートビアなど。それぞれのダイエットソーダバージョンも常備)
  • スムージー
  • シェイク

たまに珈琲がポッドで貰ってる患者さんがいて二度見したことがあります笑

🍰デザートメニュー(11:00〜19:00)

  • チーズケーキ
  • アップルパイ or ピーチコブラー
  • チョコレートブラウニー
  • クッキー(チョコチップ)
  • プディング(バニラ・チョコ)⇒シュガーフリーも常備
  • ジェロ(オレンジ or ストロベリー)
  • フルーツカップ or フレッシュフルーツ(イチゴ・ブドウ・メロンなど)
  • アイスクリーム(バニラ・チョコ・ストロベリー)
  • シャーベット(レモン・ストロベリー)

ちなみに、スナックとしてポップコーンやチーズ&クラッカーなどもあります!

ソフト食や流動食の場合はどうするの?

患者さんが持っているメニュー表に「Clear Liquids」「Full Clear Liquids」があり、対象の患者さんは、その欄からジュースやスープ、アイスのみ食べることが出来ます。

ソフト食やミンチ食などは部署にそれ用のメニュー表があるため、それをコピーして患者さんの部屋に持っていき、食事を選んでもらいます。

お金はかかるの?

患者さん本人の食事については、メニューに値段の記載がありません。
なので、正確にいくらチャージされているのかはよく分からないのが正直なところ。
保険や入院費に含まれているのかもしれませんが、ちょっと謎です…。

ちなみに、家族が一緒に注文する場合は有料。私の病院では7ドル、更にピザやサンドイッチなど限定されていると記載があったと思います。
患者さんにとって家族と一緒に食事を楽しめる環境があるというのは、精神的にもすごくポジティブな影響を与える素晴らしいシステムだなと感じました。

デリバリースタッフが配膳担当

日本だと看護師や看護助手が配膳・下膳を行うことが多いですが、アメリカではCNA(看護助手)が配膳を行うことはほとんどありません。※下膳はします笑

病院内には“デリバリースタッフ”がいて、その人たちが食事の配達やオーダー受付など、食事に関する業務を担っています。
これもまた、アメリカの分業体制の一つですね。

連携プレーでインシデント防止!

「え!じゃあ血糖測定はどうするの?!インシデント祭りじゃない!」とびっくりされているそこのあなた!安心してください😊

糖尿病患者さんや術後の患者さんなど、食前血糖の測定が必要な方の食事がデリバリーされる前に、デリバリースタッフからCNA・RNに「もうすぐ食事が届きますが、血糖測定は終わっていますか?」というメッセージが必ず届きます

このシステムがあるおかげで、「ご飯食べちゃったのに血糖測ってない!」というミスを防ぐことができるんです。チーム全体でミスを防ぐ工夫がされているところも、アメリカのすごいところだなと感じます。

糖尿病食のちょっとした注意点

アメリカの病院では、糖尿病の患者さんもある程度“選べる”食事が可能ですが、その分スタッフ側の対応も少し複雑になります。

実は、アメリカの病院食には必ず「食事内容のレシート」(=栄養成分が記載された明細書)が付いてくるんです!
そのレシートには、選んだメニューの炭水化物(Carbs)量が細かく記載されていて、
たとえば「全粒粉パン:15g」「オレンジジュース:26g」「スクランブルエッグ:0g」みたいな感じで載っています。

このレシートをもとに、患者さんが実際に食べた量に応じて、摂取した炭水化物量をCNAやRNがカルテに記録し、それに応じたインスリン量をRNが計算して投与する流れになっています。

たとえば:

  • パンを半分しか食べてなければ → 炭水化物は半分扱い
  • ジュースを全部飲まなければ → その分差し引き

といった感じで、「どれをどれだけ食べたか」が超重要!
食事の選択肢が豊富な分、患者さんによっては「スイーツだけ食べた」なんてこともあるので、その分観察力と記録力が求められます😂

病棟内には“ミニキッチン”も完備!

アメリカの病棟には、多くの場合スタッフ専用の「ミニキッチン」のようなスペースがあって、ちょっとした食べ物や飲み物がストックされています。

このミニキッチンには、

  • 缶入りソーダ(ダイエットコーラ・スプライトなど)
  • ジュース類(アップルジュース・クランベリージュース)
  • 軽食(食パンやサンドイッチ、プリン、ゼリー、カップ入りシリアル、スープ、チーズなど)
  • ミルクや砂糖の小分けパック
  • 温め用の電子レンジやトースター

などが常備されていて、誰かが小腹を空かせた時の“救世主”のような存在です✨

例えば、時間外(夜間や早朝)に入院してきた患者さんで、食事がオーダーできない時間帯の場合には、このミニキッチンの軽食を提供しています。
また、夜中に「お腹空いた〜」と言う患者さんに何かしらをすぐ渡せるのも助かります!

もちろん、糖尿病患者さんや飲水制限のある患者さんなど制限がある人には内容に注意しながら対応しますが、患者さんのニーズにすぐ応えられるこの仕組みは、ほんとに便利だなと思います😊

たまに休憩が取れないスタッフがエネルギーチャージのためにスナックを食べていることもあります笑

おわりに

いかがでしたか?
アメリカの病院食、意外と自由度が高くてびっくりされた方もいるのではないでしょうか?

日本のように「決まった時間・決まったメニュー」が主流の医療現場から来ると、「えっ、注文式!? ホテルみたい!」と最初はカルチャーショックの連続でした(笑)

でも働いていくうちに、患者さんの“今の気分”や“体調に合わせて食事を選べる”って、すごく満足度が高く、入院を負担に感じない良いシステムだなと感じるようになりました。

もちろん自由だからこそのルールや注意点もありますが、「選べる医療」「寄り添うケア」を食事の面からも実感できるのが、アメリカ病院の面白いところかもしれません😌

今後も、CNAとして感じたアメリカ医療のリアルをブログで発信していきますので、ぜひまた覗きにきてくださいね♪

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