日本の看護業界では、正看護師、准看護師、看護助手で業務内容や給与が異なるように、他の国々でも職種の業務内容や給与は異なります。
ここではCNAの業務内容についてご紹介します。
CNAの業務内容はまるで日本のフリー看護師
看護助手というとどんな業務内容が思い浮かびますか?日本の総合病院で共に働いた助手さんたちは、清潔ケアの補佐や検査出し、物品補充や物品の消毒、部屋の掃除と多岐にわたって業務を実施していました。夜勤では”横断”といって、複数の病棟を1人で担当しつつ、電話を受けたら検査出しや看護師の補佐を行っていました。
ではアメリカCNAの業務内容はどのようなものがあるでしょうか。
以下が主な業務内容です。
CNAが実施できること | CNAが実施できないこと・しないこと |
---|---|
バイタル測定(聴診法BP測定や直腸温測定も含) | 点滴投与、与薬 |
採血(18歳以上+施設による) | 末梢静脈点滴ルート確保 |
血培・尿倍・便倍採取 | 尿道留置カテーテル挿入 |
血糖測定 | インスリン投与 |
12誘導施行、心電図モニター装着 | 心電図のモニタリング |
ブラッダースキャン実施 | 輸液ポンプの取り扱い |
清拭、陰洗、洗髪、足浴 | 医師への報告、処置介助 |
尿道留置カテーテル管理(尿破棄や尿量入力等) | 他病棟への申し送り |
バイタルや水分出納、ケアに関するカルテの記録 | 傷の処置 |
離床、歩行介助 | |
点滴抜去、尿カテ抜去 | |
メカニカルリフトの使用(18歳以上) | |
術前剃毛、術前清拭(CHG清拭) |
※州や施設によってCNAが実施できることは異なります。与薬まで実施できる施設もあれば、採血は採血士に任せるため実施しない施設もあります。
どうでしょうか?上記業務内容を見ていると、まるでフリー看護師として働いていた看護師の自分の姿が思い浮かばないでしょうか?
バイタル測定や患者さんの身の回りの世話など、CNAは主に患者さんの療養生活のサポートを行います。ナースコール対応も基本CNAの仕事です。
RNは患者さんのアセスメントや医師との連携、CNAへの指示、薬剤投与や与薬が主な業務です。
CNAは看護で重要なアセスメントの実施を業務として活かすことは出来ませんが、患者さんの身の回りのサポートをし、最大限快適な療養生活の提供を行う上ではCNAは非常に重要な役割を果たしています。
日本の看護助手との違いは?
日本の看護助手もアメリカのCNAも「正看護師の指示の元」業務を実施する点では同じです。そのため清拭やオムツ交換、体交など実施する点では似ていると思います。
大きく異なる点は、アメリカのCNAは州によって決められた資格を取得しなければ従事することが出来ず、患者さんの身の回りの世話はCNAが主体的に実施する点です。CNAも環境整備や物品補充を行うことはありますが、アメリカでは清掃スタッフや移動支援スタッフ(Patient Transporter/Orderly)がおり業務が細分化されているため、使用した尿瓶やコップの消毒や部屋の消毒作業等は一切ありません。
より患者さんに寄り添ったケアが出来る点がCNA業務のやりがいといえるのではないでしょうか。
以上アメリカのCNAの業務について紹介させていただきました。
国によって職種も業務内容も異なっており、個人的にはワクワクしたとても新鮮な気持ちでCNAとして働いています。今回はCNAの紹介を主としているためCNAのみを褒めちぎっていますが、もう一方の職種を蔑ろにする意図は一切ございません。
次回は「CNAになるためには」についてご紹介していきます。