「CNAって、ただの雑用係でしょ?」
そんなふうに思われがちかもしれません。でも実は、CNAは“まるでフリー看護師”のような存在として、患者さんのケアの最前線で活躍しています。
日本の看護助手と比較すると、その業務の幅に驚く人も多いはず。
今回は、現役CNAの私が、日米の看護助手の違いから、CNAの具体的な業務内容、やりがいや制限までをリアルな視点で解説します!
CNAとは?アメリカでの立ち位置と役割
CNA (Certified Nursing Assistant)は、医療チームの一員として、主に日常生活のサポートや観察を通じて、患者さんのケアに携わる資格職です。日本の看護助手と似た立場ですが、その業務の幅は想像以上に広く、責任も大きいのが特徴です。
CNAとRN・LPNの関係性
- RN(正看護師):医療行為や判断、ケアプランの作成、アセスメントなど
- LPN(准看護師):一部の医療行為と日常ケア
- CNA:バイタル測定、基本的なケア、採血や12誘導などの簡単な医療行為
CNAは“患者さんの一番近くにいる存在”として、日々の小さな変化にいち早く気づき、RNやLPNへ報告することで、迅速な対応につなげています。
CNAの役割
CNAは業務のほとんどをベッドサイドや患者さんの元で過ごします。バイタル測定やリハビリ介助などを通じて、異常や変化が生じたらすぐにRN/LPNに報告することで、治療や次のケアに繋げます。
医療はチームワークが重要。CNAもそのチームの立派な一員です。
CNAは基本的に治療に積極的に関わることはありませんが、患者さんの療養上の安全と快適さを提供するために、必要不可欠な存在といえます。
CNAの仕事はどんなことをするの?
ではアメリカCNAの業務内容はどのようなものがあるでしょうか。
以下が主な業務内容です。
CNAが実施できること*¹ | CNAが実施できないこと |
---|---|
バイタル測定(聴診法BP測定や直腸温測定も含) | 点滴投与、与薬 |
採血(18歳以上+施設による¹ | 末梢静脈点滴ルート確保 |
血培・尿倍・便倍採取 | 尿道留置カテーテル挿入 |
血糖測定 | インスリン投与 |
12誘導施行、心電図モニター装着 | 心電図のモニタリング |
ブラッダースキャン実施 | 輸液ポンプの取り扱い |
清拭、陰洗、洗髪、足浴 | 医師への報告、処置介助 |
尿道留置カテーテル管理(尿破棄や尿量入力等) | 他病棟への申し送り |
バイタルや水分出納、ケアに関するカルテの記録 | 傷の処置 |
離床、歩行介助 | |
点滴抜去、尿カテ抜去 | |
メカニカルリフトの使用(18歳以上) | |
術前剃毛、術前清拭(CHG*²清拭) | |
ナースコール対応 |
※²「CHG(クロルヘキシジン)」は術前に使用する消毒剤です。
どうでしょうか?上記業務内容を見ていると、まるでフリー看護師として働いていた看護師の自分の姿が思い浮かばないでしょうか?
州や施設によってCNAが実施できることは異なることはありますが、バイタル測定や清拭など身の回りの世話は一般的に実施されるようです。
アセスメントはできる?できない?
CNAの仕事は、患者さんの快適な療養生活を支える重要な役割を担っていますが、医療判断やアセスメントは行えません。
たとえば、患者さんが「息苦しい」と訴えた場合:
- CNA:その症状をRNへ報告。
- RN:聴診・問診・血液データ確認などをもとにアセスメント。
どれだけ看護経験があっても、CNAとしては“観察と報告”に留まります。
日本の看護助手との違いは?
日本の看護助手はどんなことをしているの?
私が日本の総合病院で一緒に働いていた看護助手さんたちは、
- 清拭やオムツ交換の補助
- 検査への患者搬送
- 物品補充、器具の洗浄・消毒
- 病室の清掃 など、幅広くサポート業務
などを様々な業務を担っていました。
特に夜勤では「横断」と呼ばれ、複数の病棟を一人でフォローするなど、人手不足の中でも非常に重要な存在でした。
日本とアメリカの看護助手の違いはなに?
日本とアメリカの看護助手の違いはたくさんあります。
例えば…
- アメリカではCNAは資格取得が必須
- 身の回りのケアはCNAが主体的に担当
- 部屋の清掃や搬送などは専門職が担当する場合が多い(CNAのDuty外)
- CNAは医療チームの一員としてカルテ記録も担当
日本の看護助手と比較すると、専門性が高く、患者さんのケアに集中することが出来ます。
私自身、日本でも患者さんと深く関わるやりがいを感じていましたが、今もCNAとして毎日患者さんと向き合いながら、充実感を持って働けています😊
おわりに
以上アメリカのCNAの業務について紹介させていただきました。
「CNAってこんなにやることあるの⁉」と驚かれた方もいるかもしれません。国が変われば、看護助手の役割もここまで違うんです。
CNAを目指す方、海外での医療キャリアに興味がある方の参考になれば嬉しいです。
興味がある方は、他の記事も是非チェックしてみてくださいね♪
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